よく生徒さんから占いは統計学ですよね?といった質問を受けます。

ここで統計学の定義について考えるため、調べると、
「経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす」また、
「確率論を基盤にして、集団全体の性質を一部の標本を調べることによって推定するための処理・分析方法について研究する学問。」

と出てきます。

ここで目に付くのは「確率論を基盤にして」という一文です。
確率論についてさらに調べると、
「偶然現象の起こる確率を数学的に取り扱い,その応用を考える数学の一分科。」
とあります。
「偶然現象」の起こる確率、これです。

偶然現象の起こる確率、例えば、
ある道を歩いていたとして、ここで突然車が突っ込んできて、
偶然事故に遭う確率。
あるいは、乗った飛行機が偶然墜落する確率。ということになります。

つまり統計学からこの確率は導き出せるわけで、
アメリカ国内の飛行機が落ちる確率は0.000032%
米国の国家安全運輸委員会(NTSB)の調査による)


統計学から云うならば、飛行機に搭乗する人に、
「この飛行機に乗れば、3000万分1の確率で落ちるだろう」と、
言わなければならない。つまり落ちることはほとんどあり得ないが、
落ちた場合は運が悪かったということになります。


しかし占いでは、その運を予見しなければならない。

「この飛行機に搭乗するが、無事到着できるだろうか?」
と相談を受けたのなら、ある域に達した占い師であれば、
(未来のある時点から見て、この飛行機が落ちたと仮定して)
当然、落ちる危険があるので、乗るのを避けるべきだと、
アドバイスするはず。
これが統計学による3000万分の1の確率論ではそのような
アドバイスを出せるはずはない。
3000万回に1回起こるような現象を、そのタイミングで当てるのは、
統計学の理論では到底無理な話で、その現象に当たってしまうのは
いわゆる「偶然」でしかなく、神のみぞ知る世界になるわけです。

加藤大岳先生の言葉を借りるて言うならば、
つまり「占い」とは、神性における偶然を予見し求めるものであり、
統計学の偶然起こる確率を求めるものとはまったく異にします。


以上は、卜相である易占を主眼に置いて論じたわけですが、
命相である四柱推命においても基本は同様です。

推命の占術家のなかでは、統計を取っている方もおられるようですが、
よくデータ収集しても数はしれおり、到底統計をもとにしたと論じられる
母数ではありません。
さらに帰納的に言えば、統計学を専門としている研究者が一番すぐれた
占い師であるという事になります。しかしながら決してそうではありません。


以上のことから今回のタイトルについてご理解いただけたと思います。